東京高等裁判所 昭和35年(ラ)445号 決定
記録に徴するに、昭和三十五年五月十八日の競売期日に小沢満房が右最低競売価格を超える金五十九万円の競売価格を以て競売の申出を為し、その結果本件競落許可決定が言渡されたことが明らかである。従つて、右五月十八日の競売期日のために定められた最低競売価格が同年二月二十九日の競売期日のために定められた最低競売価格よりも高額であつたことによつて、債務者たる抗告人にはなんら損害を及ぼしたものでないと認めなければならない。すなわち、抗告人は、本件最低競売価格の決定が違法であつたとしても、これにより損失を被むつたものでないから、競売法第三十二条第二項によつて準用せられる民事訴訟法第六百八十条第一項の規定の趣旨その他競売手続の目的等から考え、右の事由を理由として抗告することを得ないものといわなければならない。
(薄根 村木 元岡)